GE社の新人営業職育成法は凄い!(@東京 影山勝巳 人材育成 人材教育 人材開発 ストレングス経営)

人材開発の超プロ 影山勝巳

前回のブログの続きです。

この系統的脱感作という仕組みを営業職の人材教育に活かした企業はどこか?。

それはアメリカのGEという会社です。

みなさんご存じですよね。

改めてGEについて紹介しましょう。

ゼネラル・エレクトリック(略称GE)は、世界最大のコングロマリット(複合企業)の1つです。

本社は米国コネチカット州。

航空機エンジン、医療機器、家庭用電化製品、金融サービスなど幅広い分野でビジネスを行っています。

米国ダウ工業株30種平均は算出開始から120年を超えていますが、12銘柄で始まったこの株価指数で現在まで生き残っている唯一の企業がGEです。

現在、営業職だけでも年間採用数が2,500~5,000名というから驚きです。

GEの新人教育はかねてから定評があり、これまででも十分レベルの高い人材育成を行ってきましたが、さすが世界のGE。

現状に満足することなく、絶えざる改革を今も行っているわけです。

今回、紹介するのは、新任営業職社員の初期教育を抜本的に改革して、その結果、入社してから一定の成果を上げるまでの期間を大幅に短縮することに成功したメソッドです。

GEの新人営業職研修における最初の目標、マイルストーン1の目標は、1件の受注をとることでした。

この段階で、カスタマーマネジメントをどうこうするといったことは教えません。

あくまで1件の受注をとることだけに特化した知識やスキルを習得させるのです。

水泳教室の例と同じです。

まず1つ1つ階段を上られるように、そこで必要なことだけを教えるのです。

GEの新任営業職研修のゴールは、3カ月連続で目標達成することでした。

これができて初めて1人前だということです。

よく考えればわかることですが、3カ月連続でクリアするためには、まず1ヶ月クリアしないとダメです。

1ヶ月クリアするためには、まず1件受注しないとダメです。

初受注すら取ってない社員に、いろいろなこと教えても意味はありません。

まずはステップを切って、初受注とるために必要な事だけに絞って教えて、先々必要なことはぐっと我慢して教えない。

 

初受注という成果を出すために必要なことだけ教える。

ただ教えるだけじゃなくて、訓練してチャレンジさせて、うまくいかなかったら上司にコーチングさせて、なんとか初受注をあげさせる。

まずは初受注を上げることに全力を尽くす。

そこにフォーカスを当てて、マイルストーン1を達成させる。

 

そうして、見事マイルストーン1を達成したら、次はマイルストーン2。

月間目標の達成です。

 

これを達成するには案件を○個取ればよいので、それを達成するためには君の場合はこうです。

効率的に複数の案件を獲得するには、アカウントに対してこのようなアプローチをしていく必要があります。

……(以下略)

 

GEはこのように教えています。

まさに系統的脱感作を応用したやり方です。

しかし、少し前までは日本の会社と同じように、必要だと思われることを最初から一気に教えていたそうです。

 

最初は1件受注を取るのに必要なことだけを教えれば良いのではないか。

それが出来もしないのに、顧客との関係を継続的に深めていく方法とか、顧客の新たなニーズを掘り起こすスキルを教えてもムダではないのか。

教育研修に巨額の予算とリソースを投入するGEですら、このことに気づいたのは最近だったのです。

 

私たち日本の会社がなかなか気づかないのもしょうがないかもしれませんね。

 

投稿日: 2018年9月15日KKC